妊娠中絶に関して

あちこちのブログを読ませていただくうち妊娠中絶に関して論じておられる牧師さんのサイトを拝見しました(トラックバックすればいいんでしょうけど、トラックバックURLが正しくないとかいってサーバが受け付けてくれませんのでリンク)。普段心の底にわだかまっている問題に関しては、不思議に吸い寄せられるようにその問題を扱うサイトに行き着きます。
我が心の善くて殺さぬにはあらず、を座右の銘としています。中絶を選ぶ当事者のモラルを問題にするのは現時点では有効な解決策ではありません。単純に中絶を禁止したらどうなるかはルーマニアという国に惨憺たる実例があります。
単純規制はもっとも愚な対策です。堕胎しなくてもすむシステム作りってのが不可欠です。中絶の大半が経済的理由をもって行われている現在、解決策のもっとも有効な道は「お金をかけること」じゃないかなと思います。


年間に百万人の赤ちゃんが生まれる一方で、30万件の人工妊娠中絶が行われています。超未熟児の入院期間は標準3ヶ月。治療の負担があまりに膨大で年間にお引き受けできるのはせいぜい十数名です。(ちなみにこの数字は端的にそのNICUの実力を示す数字です。一人でも多くの超未熟児をお引き受けできるように努力するのが、NICUのレベルを上げるのにもっとも分かりやすく具体的で妥当な目標の建て方です。)
甲斐のないことをしているとは思いたくありません。他人にもそうは言われたくありません。しかし正直なところ、蟷螂の斧の感は否めません。
たとえば、新生児集中治療の充実のために政府予算を割いてくれると言われたら大歓迎ですが、それが少子化対策費の一環としてと言われると、諸手を挙げて賛成とは言い難いものがあります。この出生数3件の裏に中絶数1件という膨大な数字を前にしては、我々のところに予算を重点配分するのが少子化を食い止めるのに最善の策とは烏滸がましくてとても言えません。
NICUの医療にどれだけお金が掛かるか世間ではご存じなのかな。新生児特定集中治療室管理料は1日あたり8500点、日本円に換算して85000円ですね。超未熟児はNICUに一日居るだけで85000円です。1ヶ月ではいくら?3ヶ月ではいくら?
たった一人の赤ちゃんに一日85000円。その7割は健康保険から支払われますが、3割のいわゆる「自己負担分」はたいてい各種助成(育成医療やら)で税金で肩代わりされます。無駄金だとは決して言わないけれど(端的に私のお給料もそこから出ているわけで)、でも赤ちゃんの数を増やそうと考えるならもうちょっと低コストで効率的な道はあるんじゃないかと思えてなりません。
たとえば私ならNICUを一個作る暇に保育園を10個つくります。保育士さんを2交代にして6時-14時勤務と13時-21時勤務の二本立てにします。そうしてでも、3交代24時間勤務のスタッフが病床数とほとんど1対1の人数所属しているNICUよりは、人件費の総額は安くすむはずです。保育園の数に関しては、待機児童数の少なさを自治体の売りにさせます(待機児童数の多い自治体には保育園関係の助成は手厚くするけれど他の予算で締め上げるとか、全国の待機児童数分布をネットで一覧できるようにするとか)。
そこまで箱物の話をしなくても、極端な話、月に(日に、ではなくて)85000円もらえればこの子は堕ろさなくてすむという妊婦さんは結構いらっしゃるのではないかな。新生児特定集中治療室管理料は超未熟児には90日間まで請求できるんですけどね、90ヶ月って言ったら何年になりますかね。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中