ゴルゴ13の過去はのび太だった説
のび太は、時々タイムマシンで成人した自分に会いに行く。
のび太が未来の自分を訪問するエピソードを見てみよう。
有名なのは「のび太の結婚前夜」のエピソードである。のび太はいかにものび太が成人したという凡庸そうな風采で登場するが、既に世界的なテロリストとして裏稼業を始めている彼のこと、自分の過去を知ってはいるがまさか全員を抹殺するわけにも行かない人々の前では細心の注意を払って正体を隠しているに違いない。例えば自分の背後に回る人間を反射的に攻撃しようとする衝動を抑えるだけでも多大な苦労をしたことであろう。
周囲の顔ぶれも見てみよう。のび太としずちゃんの結婚を祝う面々の中に、ジャイアンとスネ夫の姿はあっても、出来杉君の姿がない。出来杉君は、その優秀な頭脳を生かして、国家公務員のキャリア組の中でも、相当重要な機密に触れる要職へ出世している可能性が高い。
その職務において、極秘の「G」の資料を目にする機会もあったことだろう。
そしてその正体が旧友ののび太であることも知ったに違いない。資料には、Gが正体を暴こうとする相手をことごとく抹殺してきたことも記載してあるだろう。出来杉君は、そのような危険な相手にあえて接触することはしないだろう。激務を理由に、少々嫉妬しているような振りもして、丁重に招待を断り、のび太=Gとの直接接触を避けたに違いない。不幸にして彼がその慎重さに欠けていた場合、のび太=Gは秘密裏に出来杉君を抹殺していることだろう。
なんだか最近このゴルゴのび太シリーズにコメントをたくさん頂いて嬉しいんですが、間違いを指摘されてしまいました。あわててアマゾンでコミックス25巻を買い直して確かめたら確かに出ておられますね。何を勘違いしてたんでしょうか、私。
というか、あのシーンはスネ夫の変貌に目を奪われて他の人の影が薄いですね(と言い訳してみる)。髪型を変えてるんですよ。小池さんかと思った。
で、出来杉君がのび太=Gとの接触を辞さなかった理由ですが、別に不思議ではないのかもしれません。彼は小学生時代に、「22世紀からやってきた猫型ロボット」と、その4次元ポケットから取り出される数々の未来世界の脅威に日常的に接触しています。その過程で、自分の理解の限度を超えたものに接触しても自失しない訓練を積んだのでしょう。不動心というやつでしょうか。内田樹先生が羨ましがりそうですね。