コメントにするには文字数が多すぎるとサーバに叱られた

従うしかないのかに対するコメントに対して返事です。まずOctさまとスミさまへ。


Octさま
生命のはじまりを人為的に左右するというのは些細なことではないので、考え抜くことは生まれてくる子どもたちへの大人としての礼だと思います。
今回のコメントを頂いて、不妊治療現場での説明はそんな具合なのかと、頭がくらくらする思いです。医者の説明の段取りはもう少しなんとかならないのだろうかと思います。同業者としてすごく申し訳ないです。足掛け3年ものあいだ不妊治療を受けて頂いている患者さんに、なんで手術台の上での同意確認なんだろうと思います。そりゃまあ何重にも意思確認するのは当然ですが、患者さんにとって、手術台の上で説明されてその場で意思決定して、自宅に帰ってからおもむろに多胎について調査開始、そして数日内に得られた知見で衝撃をうける、ってのはあまりに酷な話だと思います。多胎になる可能性が自然妊娠より高いのは医学的には周知の事実なのですから、多胎についても予め考え抜いて(通り一遍考えてだけではないですよ)いただけるような説明が必要だったのではないかと思います。
「自分が決定してお願いしたこと」と、octさんに言わしめていることも、私には引っかかります。最終決定は患者さんがすることだとは申しましたが、医療側に責任がない訳でもありません。患者さんが最終的に決定したことについて、医療側も共同責任を負っていると患者さんに感じて頂けるような心配りが医療側として出来ないものかと思いました。難しい要求なのですが。「お前自身はそんなことできているのか」と、我が身に跳ね返ってきます。
NICU側の辛い面をほとんど世に語ることがなかったのは我々新生児科の手落ちであったと思います。どこのNICUのウェブサイトを見てもパステルカラーのほわほわした内容ばかりだし、時々テレビで特集される「NICU24時間・感動のなんとやら」でも話が全て感動的に上手く行きます。うまく行かなかったお話を下手に公開しては後の裁判に差し支えるという怯懦がその原因だと思います。また、あまりに多忙で、こうしてブログという手段を入手するまでは双方向コミュニケーションの手段が無かったということもあると思います。
軽い話題ではないから、衝撃を受けられることもあり得ることかとは思います。ただ、必要最小限のショックでお済みにならなかったことに対して、医療者として申し訳なく思っています。
「スミ」教授
根本的なご指摘を頂いて入院統計(ファイルメーカーに入れています)で月度別新規入院数を集計してみましたが、やはり夏は多いです。ただその立ち上がりは体感より緩やかでした。恐らくは前月入院の子が退院しないうちに前月以上の入院があって累積していくために、忙しさの体感が急上昇するのだと思います。それと、あんまり忙しくて新規入院なんてとても無理という日が続くと、月当たりの新規入院数は頭打ちになります。1人1レコードの入院統計では特定の時期の病棟の忙しさを推計するデータは出しにくいようです。昨今は1日1レコードの「病棟日誌」みたいなものを設計しています。何を集計すればその日の病棟の「忙しさ」が算出できるのか試行錯誤中ですが。
夏に成功率が落ちる点のご指摘につきましては、妊娠成立から胎外で生存可能になるまでには最低約5ヶ月間の時間がかかることにご留意下さい。夏に成功率が落ちた場合我々のところで患者さんが減るのは冬から春になります。
教授ご指摘の「エビデンス」に関して、開始時期を分散したら結果として出産時期が分散するのかは未知です。開始時期を分散しても成功時期が結局は特定の一時期に集中すると言うことであれば開始時期分散の意味はありません(教授はこの点を特にご指摘なのかと思います)。また開始時期の分散にここで私が拘り続ける意味もありません。何とかNICU入院適応になる新生児(特に多胎)の出生時期を分散させて頂きたいとばかり願っております。そのために役に立つ手段であれば一つに拘ることはありません。
Octさんには開始時期をずらすことは選択肢にもならないとのご意見を頂いたと、私は当初解釈したため、開始時期をずらすことで安全性が高まるのならばずらすことも選択肢の内に入るのではないかとご検討を願ったつもりです。選択肢としてご考慮頂いた上で、やはり待たないというご選択ならば、これは仕方のないことだと思います。
エビデンスのない仮定に基づいて構築された問いだというのはご指摘のとおりです。集中に関してエビデンスはほとんどありません。しかしエビデンスがないからと語らずに済ますには夏期の繁忙は酷すぎると思います。
そのエビデンスを得るにはその地域で行われる不妊治療を総合的に把握することが必要ですが、現在のように不妊治療の中心が個人開業医にシフトしていく現状では(お産は止めても不妊治療はするクリニックまである時代です)、かえって全貌がつかみにくくなっているのではないかと思います。NICUはあくまで病的な一部の新生児にしかご縁がありませんので、全数に接することの出来る産科側に期待するしかないと思います。

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