犬や猫なら65万件

先日、子猫が死んだ折りに、「虹の橋」という物語をご紹介頂いた。心温まる物語だった。
そのHPに、「我が国では年間約65万頭もの捨て犬や捨て猫が、安楽死され「処分」されている現実があります。」との記述があった。
現実。
我が国での人工妊娠中絶は年間に約33万件、という数字を思い出した。


ちなみに出生数は約110万件である。出生数の4分の1の中絶件数である。
今さら、それを「軽率な性行動の結果」だと切り捨てるような、無思慮なナイーブさでは、問題は見えてこない。
野口やよい氏の「年収1/2時代の再就職」(中公新書ラクレ)には、派遣社員など非正社員として勤労しておられる女性たちは「出産=失職」の危機にあると報告されている。非正社員には産休育休など現実的には認められていないのである。

派遣社員の中絶が続出しているらしいと、『女性自身』に掲載されたルポは示唆する。この記事は、次のような産婦人科医の台詞で始まる。
「今、企業はどうにかなってるんですか? 昨日も派遣社員の女性が中絶にきました。妊娠の判定を告知するとき、思わずこちらから、職種を尋ねてしまうほど、派遣の人に中絶を選択する割合が多い」

企業のリストラが中高年は一渡りして今は30台男性にターゲットを移しつつあるご時世である。夫の収入が激減した結果共働きでないと生活できなくなった状況では、妊娠など選択できない。しかし共働きしようとして就職口を探しても、企業はリストラと称して正社員を減らして非正社員にシフトしつつある。
あるいは1人なら何とか育てられても、二人目を妊娠して保育園の費用など試算して絶望する人もあるという。
女性が身勝手で子どもを産まないわけではない。食べるもの着るもの寝るところを確保するだけのお金がないと生きていけないと言うことだ。シンプルなだけに根が深い現実。
それが「経済大国」日本の、現実である。

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