キリスト教原理主義は好きじゃないが

ブッシュが勝った。
妊娠中絶やら同性婚やらと言った倫理的項目が云々されているらしい。
キリスト教原理主義の底力みたいな報道解説を目にする。
今日の朝日新聞の漫画にあったように、他国の政権が気に入らないからと言って攻め込んでいくような野蛮な精神性は持ち合わせていない(朝日新聞の記事内容はともかく朝刊夕刊とも4コマ漫画は他紙の追随を許さない。漫画が面白いので朝日を取っているようなものだ)。
私にとって複雑なのが、私の勤務先の病院はそもそも米国南部のキリスト教徒が建ててくれた病院なのである。まあ、原理主義の面々に飯のタネを頂いてるわけだ。
戦後の混乱期に、旧財閥の別荘を買い取ったか接収したかして、病院にしてしまったのがうちの病院のはじまりである。どこの教派がといったらそのまま病院名がばれるから言わないけれど、福音派のけっこう大きな教派である。手術室の入り口にはプレートが嵌め込んであって、東京に進駐中の軍人さん(まだGHQがいた頃ね)に居たこの宗派の有志がお金を出し合ってこの手術室を寄付したと書いてある。”They loved Japan.”と括ってある。

そんな軍人の給料で50年前に作ったような手術室で超未熟児の緊急帝王切開なんてやってるなよという御意見もありましょうが・・・。でもある意味格好いいでしょ。古い手術室だからって赤ちゃんにはそれが元の感染なんかおこしたことありませんよ。

ご当地では公教育で進化論を教えることにすら反対するような面々で、個人的にはあんまり関わりたくないタイプの人たちのように思える。イエスという人はけっこういい奴だと思っているのだが(親鸞をいい奴だと思うのと同じくらいには)、あの人の思想の闊達さは米国南部にはあまり受け継がれていないようにも見える。
俺はブッシュと同じ根っこを持ってるのか・・・と思う。だから病院を辞めてしまうというほど私自身は原理主義的な精神性はないが。そんな理由で辞めるようなやつを他で雇ってくれるかどうか分からんし。イラクで戦争するのよりは京都で新生児医療やってる方がなんぼかマシとも思う(善いことをしてるから人間が偉くできてるんだなんていう思い上がった考えをもっちゃいけませんよとイエスも親鸞も仰っておられるようだが)。