部長が留守だと忙しい

未熟児新生児学会というのが開催中で部長が留守です。
部長が留守だとNICUは忙しくなります。
部長は朝夕の回診のとき以外には滅多にNICUに来ないので、業務の停滞は本来は起こらないはずなのですが・・・そこが人徳のなせる技なのでしょうか。
単に部長が「当たらない人」だというのが原因だとも思います。
当たる人当たらない人というのがはっきりと医者にはあります。看護師にもあるけど。
その人が勤務していると奇妙に入院依頼が立て込むとか、救急当直をしていると外来が千客万来になるとか。ヤブ医者だから入院中の子どもの診療をし損なって病態が悪くなって忙しくなるというのならまだしも、彼(または彼女)が勤務していると他所の病院で赤ちゃんが悪くなったりご自宅にいる(まるで当院にはかかったことのない)子どもがとつぜん病気になるとか、まるで巡り合わせの悪さとしか言いようのない人があります。
うちの部長は「当たらない」タイプです。むろん常勤なので、大抵は病院にいるからあまり目立たないのですけれど、たまにこうやって学会とか休暇だとかで留守にすると、明日から学会なので留守をよろしくと言って部長が帰ったその夜から新生児搬送の依頼が舞い込んできたりします。
入院患者が少なくなってきて病棟が空いてきたら、部長が休暇を取ればいいのです。
団塊の世代だからあんまり休みたがらないのですが。ここは販促活動と思って温泉にでもつかって骨休めしていただいて、病棟が埋まってきたら帰ってくる、と。
私は研修医の時は「当たる人」でした。
何せ阪神大震災に当たりましたから。
地震の日以外にも当直をしていると奇妙に救急が多いように感じられ、これは自分が未熟で診療に手間を取るから行列が出来ているのに違いないと思って反省しておったのですが、2年間の年季が明ける間近に謎が解けました。救急の事務当直の人が電話問い合わせに対して「今日の救急当直は小児科専門ですから」と仰っておられたのでした。そりゃあ多くなるわな。