医療関係者への謝礼
そういえば貰った記憶があんまりないなあ。NICUを退院される赤ちゃんの親御さんたちは看護婦さんにどうぞと言ってお菓子をたんまり下さることはあっても、私にはくれませんね。我が子が誰に世話になってるかちゃんと見抜いておられます。
一番のお礼といったら、「先生、この子を抱いてお写真一枚とらせてください」ってやつですかね。「ブラックジャックによろしく」の心臓外科の先生がやってたような写真。私の手元には残らないけれども。でも、さぞや得意げな顔をして写ってるんだろうなと思います。やっぱ、仕事を認めていただいてるってのがいいんです。
以下、本旨を外れるかもしれないけれど。
このリンク先で話題になっている、お礼云々言っておられる外科の先生のサイトを拝読して思ったのは、「へえ、俺って金持ちなんだな」ってことでした。たぶんこの先生が貰ってる給料の倍くらい貰ってるんじゃないかな。半分近くは当直手当なんですけどね。でもまあ、こんな不平不満愚痴だらけのサイトで、安月給だとは今までなぜか言ってないでしょ。お金はもらってますもん。残業だって青天井で手当つけてくれるし。かえって、申し訳なくて無駄な残業はできないですよ。
それに学会へ行く費用も病院が出してくれますもの。一年あたりの金額に上限はありますけど、「研修費」なる名目で国内に年2回くらいなら行けます(旭川行きもほとんど自腹は痛んでないですよ。さすがに旭山動物園は自費でいきましたけどさ)。切符だって医局秘書さんに頼んでおいたらいつの間にかできあがってるし。病院名を出しての発表演題を持っていけば出張旅費を公費で出してくれるんで別枠です。
むしろ部長の憤懣はこんなにサポートしてるのに此奴はのほほんと遊んでばかりいて全然発表をしないということだろうとは思いますね。すみませんです。アカデミックな出世願望なんてまるで無いんで、慣れないアルバイトしながら誰も読みもしない博士論文書くのに数年費やすのなんていやだなとうだうだ怠け怠けしているうちに流れ着いてきた病院でして。それにうちの大学では新生児で博士とれないじゃん。
背広代が出せないんなら着るなよとも思います。私はたった5分の町内徒歩通勤に背広なんて着てられないので(ネクタイ結んでる暇に病院に着くじゃないですか)上から下までユニクロ。病院に着いたらケーシースーツに着替えます。背広は大学の卒業の時に父が作ってくれた一張羅しか持ってません。まだ着れるってのが内心は自慢なのですが、太らない体質も父がくれたものですから大っぴらには自慢しません(してるけど)。
同業者には泣いてうらやましがる人の方が多いんだろうな。でも医学生のみなさん、この外科の先生みたいな悲惨な境遇ばっかりでもないです。探すなり交渉するなり待遇は言い値でよいからと招聘されるくらい偉くなるなりしてください。
この外科の先生が経済的苦境に耐えつつも本来の臨床で有意義な仕事をなさっているのを祈るばかりです。このうえ仕事も詰まらなかったら本当に可哀想だよね。