医師がブログで患者さんを中傷したので処罰されるというニュースがありたくさんの医療系ブログで言及されている。大方の意見は、公開の場での書き方としては浅慮に過ぎるというものであったと理解している。
たくさんのサイトが同じ問題に言及しているのを一つ一つ拝読していくと、共通の「お題」に考察を加える各々のサイトの個性が際だって興味深かった。これで座布団3枚とか言い出すと「笑点」の大喜利みたいになるのでこんな括り方は失礼な話かもしれないが。でもまあ私自身は大喜利に出られる真打ちのレベルにも達していない。舞台袖から先賢の芸をじっくり学ばせて頂いた。我ながら虫の宜しいことで。
無論、ノーコメントを貫くという立場の取り方もあり、それはそれでサイトの個性だと思う。が、その高邁な立場は私に似合わない。私のサイトの個性を自分で考えるに、「遅れて出てきて些末な事を言う」のが「正しい立ち位置」かとも思える。で、あれこれ書きました。
この問題の女医さんを個人的に知るわけでもなく、問題のサイトを今さら全文読めるわけでもない。当直と通常勤務の違いさえわからぬような新聞の記事に引用された文章をもとに批判されるのは酷な話だろうと思う。また私自身にも、そういう批判を書いて私自身の座布団を減らされるのは痛い話だ。どの程度の根拠があれば他者を批判できるのかなど批判の方法論や基準は色々だとは思うから、批判した人を再批判するつもりもないが、そもそも「我が心の善くて殺さぬにはあらず」を座右の銘とする(ことにしている)私にはこの女医さんの批判はよくするところではない。だから直接の言及はしませんしニュースサイトを引用することもしません。
それにしても、このニュースを聞いて、自分は拙いこと書いてないよねと過去の記事を一応読み返してみた医療関係者は私だけではないはずだ。君、そう君のことだよ。夜更かししたでしょ?
私とて読者諸賢のご賢察のとおりの了見の狭い人間であるから、患者さんに対しても腹を立てることはある。当直明けなど普段狭い了見がますます狭くなるから尚のことよく腹を立てる。だから患者さんの悪口も、実は下書きに書いたことはある。ただ、患者さんを誉める記事は幾らか掲載したが、貶す記事を掲載したことはない(はずだ・・・見落としてたら済みませんがご指摘下さい)。
というのも、私はあまりに了見が狭いので自分のことしか興味がない。そういう「厭な患者」の記事を書くにも、私の関心はどうしたって自分のほうに分があるってことの主張に向かう。でも一方で私は怠惰だから、本心から自分のほうに分があると思えるときにわざわざ不愉快な経験を思い起こして再体験することは御免被る。従ってそういう記事を熱心に書くときは大抵は自分に分がないと薄々わかっている。分かっているものを自分に分があるかのようにこじつけると、どうしても拗くれて詰まらない記事しか書けない。こりゃ詰まらんということは読み返せば分かるから、発表するのは今度は自分を一端の(アマチュアだけど)書き手だと思っている我田引水的プライドが許さない。やれやれ。矮小な人格の各パーツが補い合って安全弁になっている。こりゃどうしたって他人を責めたり笑ったり出来る偉人じゃあない。当面は「こどものおいしゃさん」だ。はは。