当直明け。夕食後に息子が新しく買って貰ったDVDを出してくる。ディーゼル機関車特集の二枚組であった。うち1枚の鑑賞に付き合う。「白魔と闘う」云々と称するタイトルで、本編74分延々とディーゼル除雪車の映像が続く。マニアにも色んな分野があるものだねと思う。前半がラッセル車。後半がロータリー車。ナレーションは必要最低限だけ。雪の中の撮影で背景音もほとんどしない。静かな雪景色の中を赤い除雪車が雪をまきあげて走るシーンが淡々と繰り返される。美しくはあったが、最後まで付き合ったらさすがに腹一杯な気分だった。
息子は「三軸ボギーやね」とか言いながら見入っている。機関車の台車が映ると必ず言うので、なにか車輪回りの構造にそういう専門用語があるらしいとみえる。もう一つ彼がこだわるのは「前のライトは白、後のライトは赤」というもの。今回のDVDには一度だけこちらに向かってくる列車の前面に赤いランプが点っているシーンがあり、息子は「逆やね」と呟いて不機嫌な顔になった。滅多に怒りを表さない人だけに、あれはかなり怒っていると見えた。自閉あるいは鉄ちゃんの症状がもう少し重症ならパニックを起こしていたかも知れない。入れ替えかなにかの都合だったのだろうか。いや、べつに糾弾するつもりは無いんですけどね。
