6連日では終わらなかった

6連日の拘束がようやく明けたとおもったら、4月の当直表をみると1日からいきなり当直であった。明けて2日は自宅待機。なんと中一日しか空かなかった。ラガービール一本飲んでリフレッシュできたので、中一日でも空いただけ良かったけれど。
今月の当直は7回。自宅待機が7回。週40時間の勤務は勤務でちゃんと勤務しているのだから、病院に命じられるだけでも単純計算で一月24時間×30日間の半分以上の時間を病院か自宅に拘束されることになる。むろん重症の受け持ちになったら時間外勤務がその上に積み重なっていく。
でも今は大学からの応援があって本当に楽だ。大学から外来の応援に来て頂くと、NICU当直の仕事に専念できるし、当直仕事が無いときには休んでいられるしで、業務の負担が軽くなる。加えて、難しい症例を抱えているときに相談がしやすくて良い。昨日は循環器の専門の先生が応援に来て下さったのでNICUに入院中の心臓病の子について相談に乗って頂いた。大学のNICUにはこういう人が日常的に来て下さってるのだろうと思うと羨ましい。大学に勉強に行けば良いのだろうけれども、たとえ自転車で片道10分の位置にあるとはいえ、月半分を病院回りに拘束されていると大学が遙か遠くにあるように思えてくる。
看護師たちもけっこう大変である。
4月のはじめで院内の人事異動があった。産科病棟の助産師が大量に退職したため、NICU勤務の看護師で助産師の資格を持っている人が2名引き抜かれた。NICU看護を希望して当院にお出でになり、いよいよ新生児看護にも熟達して病棟の主力となろうという面々であった。大変に迷惑な人事である。
主力級が抜けると夜勤が出来る人数が減る。人数が減ると一人頭の夜勤回数が増え、体力のない面々から順々に脱落して行く。病棟の層が薄くなり、引き受けられる赤ちゃんの重症度が限定される。軽症入院を少人数しかとれないと当然収益が減り、スタッフの定数が削られて行く。やれやれ。
関東軍からベテラン兵を南方戦線へ出したときもこんなふうだったのだろうか。産科はもう少しスタッフを大事にして欲しいと思う。卒後一年目の助産師が全員辞めたってのはやっぱり何か問題があると思う。そうやって潰された助産師の人生に対してどう責任を取るつもりで居るのだろうと思う。日本軍みたいに死は鴻毛よりも軽いと思えと言い放ってしまうような労務管理はあんまりだと思う。
内科医の数も足りないままだ。いよいよ私も内科へ変われと言われるかも知れないなと、春になるたび思う。助産師の免許持ってるだけで希望の配置から転属させられるような病院では、あるいは私も子ども習字の初段だからと、看板や壁新聞でも書いておれとばかりに営繕勤務を命じられるかも知れない。営繕もそれはそれ楽しいかも知れないが、給料がかなり減るだろうってのは厭だな。