夜間に手ずからグラム染色をする必要に迫られた。火炎固定をしようにも検査室に火の元がない。細菌検査を外注したときにガスバーナーも始末したらしい。深夜の病院で火を探して歩くはめになった。当直の事務員さんも、夜間救急の順番待ちの患者さんもお持ちでなかった。当直の放射線技師はたまたま非喫煙者だった。看護師にはけっこう喫煙者が多いのだが、深夜勤務の病棟に持ち込んできている強者はなかった。結局はホスピスに入院中の患者さんからライターを拝借した。詰め所にたばことセットで預かってあったもの。
ちなみにグラム染色というのは細菌検査の基本。
