PEGで胃瘻を作った子に、経腸栄養剤の固形化を試みている。
開始後ほどなく嘔吐が減り、胃瘻周囲からの漏出も減り、それまで泥状便で便秘がちだったのが有形便を自力排便できるようになった。投与の手間も、液状のラコールだと2時間かけて滴下していたものが、30分ほどで終了するようになった。1日3回ないし4回の経腸栄養を行うのでこの時間差は大きい。もうイルリガートルには戻れませんね。
短所としては投与にある程度の握力が必要と言うことで、私や付き添いのお母さんには少々辛い。担当看護師はもともとテニスガールだったらしく平然と投与できているらしいが。容器の問題である。大口径のカテーテルチップのシリンジを用いれば力は少なくて済むが経費が馬鹿にならない(ゆくゆくは在宅に持ち込まねばならないし)。今はドレッシングボトルを用いている。なにかケーキの調理などでどろどろした材料を押し出すような道具があればよいのだが。今後の検討課題。
調理は栄養科に頼んだら管理栄養士さんが直々に調理してくれて、1日分の固形化栄養剤をまとめて病棟に上げてくれる。冷蔵しておき、投与時に常温に戻して注入する。最初は、私が持ち込んだ資料だけではどうしても固まりませんがと仰って困惑気味だったが、リンク先の蟹江先生の資料通りにまず私が自宅の台所で作ってみて、こんな風にと固まったのを栄養科にレシピとともに持ち込んだところ、さすがはプロで、朝から持ち込んで昼には安定供給が開始された。
大病院だとこういう作業を栄養科が気安く引き受けてくれることはないのだろうなと思う。ああだこうだと理由を付けて断られることになるのだろう。恐らくは当院の規模が、職員全体の顔が見える程度に程良く小さいというのが幸いだったのだろうと思う。もとより小児科の私の顔をホスピスの面々すら知っている位だし(ついでに私が如何に偏屈であるかと言うことも知れ渡っているかも知れないが)。
