平谷 美樹 / 角川春樹事務所(2005/05)
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長い長いお話の最後に、神についてどのような考察が待っているのかと思ったら、まるで当てが外れた。一人前の神父がアル中寸前まで思い詰めた挙げ句の結論がこの程度かよ。あんまり陳腐で神父が可哀想だ。この程度はユニテリアンの本一冊読めば書いてあるんじゃないかい?
キリスト教の神に言及するならキリスト教の文献はもう少し真面目に読むべきだと思う。本作で著者が提起した問題ってのは歴代のキリスト教の神学者たちが考え抜いてきた疑問ではないか?例えば次作で永久機関について書こうと思ったら、熱力学の法則をいかに突破するかを真面目に考える位には、物理学の文献を真面目に読むよね。読むよね?
これじゃこの神父はまともなキリスト教学の基礎知識さえ持ってなかったってことになるんではないかい?勉強さえしてれば道を外れずに済みました。おしまい。いかにも学校の先生が副業で書きそうな小説。