内田樹先生のブログで古武術関連の話題を読んでいると、「江戸時代までの日本人は現在とは身体の使い方が違っていた。歩く時は身体を捻らずに歩く。歩く時に腕は振らない:強いて振るとしたら右手と右足・左手と左足が同時に前に出るような振り方になる」云々のナンバ歩きの話題が時々出てくる。
それ本当か?と、日々の外来で赤ちゃんの発達を診ていて思う。要はナンバって生後2ヶ月頃の「非対称性緊張性頚反射」がそのまま大人まで続いてますってことかいな。顔の向いた方の手や足が屈曲し、対側の手足が伸展しますっていう姿勢反射だが。その後には赤ちゃんは生後6ヶ月すぎから手足を交叉性に使うようになる。ハイハイの時には必ず右手と左足・左手と右足がペアで用いられる。右手と右足をペアで使ってちゃ体幹の動きが活用できないからハイハイにならない。
でも幼い頃に父の日曜園芸を手伝って鍬を振った時の動きとか、高校の剣道の授業で竹刀を振った時とか、たしかに半身を入れて右手と右足が同時に前に出てたなとも、思い出す。
