ブラックジャックの日

オフの休日(決して休日=オフではない)という稀な状況だった。たまの休日には、今日はいちにち休みだぜ何をしようかなとわくわく考えている内に日が暮れてくる。でも前日から予定を立ててタイムスケジュールを組んで有効に休むなんて、そりゃ休みっていうのか?と思う。とことん無駄に蕩尽してこその休みではないか。
というわけで、でもないが、ぼんやり一日、取り貯めた「ブラックジャック」のアニメを連続で観ていた。相変わらず、先生そのメス滅菌してあるんでしょうねとか、清潔の術技着けた後でマスクしちゃあ髪の毛で袖が汚れるでしょうにとか、いろいろ野暮な事も考えた。だがこうして観ると手塚治虫のストーリーテラーぶりがよくわかる。原作から改変された部分は必ず詰まらなくなっている。種々の大人の事情で改変せざるを得なかった部分って場所なんだろうから、詰まらなくなったからってアニメ制作陣を責めるのは理不尽ではあるのだが。
手塚はしかし大きなミスもやっている。晩年の作品「ミッドナイト」の最終回で、ブラックジャックは主人公ミッドナイトを救うべく、植物状態ではあったが決して脳死ではない患者に関して「この患者はたったいま死んだんだ!」と脳死判定することもなく断言し、ミッドナイトの脳をその患者に移植している。まさに和田移植そのまんまであった。レシピエントのミッドナイトが生き延びたことを別にすればだが。
このエピソードは少年チャンピオンの連載最終話である。本屋の店先で立ち読みして、こりゃ幾ら何でも拙いと思ったからよく憶えている。少年チャンピオンコミックスの「ミッドナイト」最終話は差し替えられてあった。社会的には脳死の議論真っ盛りのころで、脳死臨調に参加していた手塚治虫が描いたにしては不用意なお話だった。差し替えもやむを得ない。ただあの少年チャンピオンは購入しておくべきであった。貴重な資料だったのに。
私の記憶違いだろうか。記憶違いにしては生々しいのだが。15年以上まえの少年チャンピオンなど検索のしようもなくて、確かめようがない。なら書くなよって話になるかな。誰かご記憶の方いらっしゃいませんでしょうか。

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