人数が多いと寝られる

6月5日月曜は午前中外来・午後NICU詰めのあとそのまま当直に入る。この入り際に搬送がまず一件。
午後4時は日勤準夜の変わり目でそれなりに忙しいにもかかわらず、搬送依頼の多い時間帯である。産科の先生が午前中の外来診療の後、午後2時とか3時とかの「オペ出し」で帝王切開を始めて、午後3時とか4時とかに出生した赤ちゃんになにか支障があった場合が、ちょうどこの時間帯の搬送になる。
重症の子がいるからNICUからなかなか出られない。延々処置を直接続けてるという訳でもなくて、座ってるだけと言えば言えるのだが、それでもNICUに居るか居ないかで多いに違う。状況把握にはなるし、看護師たちの安心感もたぶん違うだろうし。重症の子を放り出したまま医師が誰も居ないでは、それはもう誰が安心できるかというもので。
それでも眠さには耐えられずちょっと仮眠ねと当直室に引き揚げた30分後にまたも搬送依頼。新しく迎え入れた赤ちゃんの処置でそのまま夜が明けた。火曜日。
朝の回診がようやく始まって申し送りを済ませる。部長にせがんだら意外にもOKが出て、午前9時から11時まで当直室で寝る。2時間でも寝たら完全徹夜とは疲労感が全然違う。むろん完全回復には至らないが、それでも「たたかう」コマンドを使うくらいのゆとりができる。「まほう」は無理だろうけれども。パーティがたくさんいたら「せんとうふのう」寸前の人を引っ込めることが可能になる。回復後また復帰できるから結局は喪失が少ない。
そのまま定時までこんどは働く。火曜日には非常勤の当直医が来てくれる。関東地方の、医療レベルの高さとスタッフの強烈な個性とでつとに有名なNICUで修業された先生である。ゲストを囲んでの症例検討会みたいな回診になる。部長たち偉い人が引き揚げた後も(毎週火曜は部長は部長でなにか偉い人の会議があるらしい)、あれこれと語っている間に時間が経つ。時間が経つと、前回の採血から時間が経ったといって次の血液ガス採血をする。なんやかやとNICUから足抜けするのに時間がかかる。帰って8時。寝たのが10時過ぎ。
7日水曜。午前5時に急変で呼び出し。落ち着けて6時半いったん帰宅して朝食。7時半再出勤。水曜は午後オフだぜと、そればっかり考えて働いていると、外来で、超未熟児フォローにお出でのお母さんから、先生疲れておられますかと言われる。いやもう当直が二日残るようになりましてねと申しあげる。昔は1日で回復してたもんですけどね。同世代のスポーツ選手が軒並み引退してて残ってるのは桑田・清原くらいですよねとか。ほんとは私のほうが1学年下なんだけど。