昨日から4日間の日程で、「新版K式発達検査」の初級者向けの講習会に出席している。3日間座学で、4日目は実習だそうな。伏見の、桃山御陵の麓まで、京阪に乗って通っている。
今日は座学の2日目。だんだん煮詰まってきた。NICUに帰りたい。
当院では掛け声ばかりで臨床心理士を雇う話が全く進展しない。NICUを退院した後のこどもたちの発達フォローには、詳細な発達評価が不可欠であるのに。業を煮やして、自分で手を出してみることにした。お陰で夏休みが潰れた。
受講してみて、これは無謀な話だったと思う。全体の分量が多いし、手続きは言葉のひとことひとことや、教材の提示の角度まで、まるで茶道か華道のお稽古ごとみたいに厳密に定められているし。100名もやれば分かってくると、講師はこともなげに言うのだが、そんな暇はさすがに無い。まあ、いままで通り児童福祉センターに外注で評価して貰うにせよ(ってセンターこそK式が生まれた本場なんだけど)、検査の中身くらい分かってて悪くなかろうと、志をやや低くしての受講になっている。
予想外に医療関係者は居なくて、50名ちかい受講者の中で医師は私だけだった。大半が養護学校の先生とか、発達相談をなさっている心理の人らとか。医療関係に一番近いと言えば保健師さんくらいか。何だか会場の雰囲気に馴染めなくて戸惑うばかりである。強いて言えば臭いの差とでも言うしかない。決して無愛想とか攻撃的とかいう人らではなくて、むしろ初対面の人たちがこれほど抵抗なくうち解ける様子は初めて見たというくらいで、この人たちに比べたら医者の集団ってお互い身構えてるよなあと思うのだけど。そもそも、この人ら互いを先生と呼んでないもの。変なのは俺らなんだよな。
いや、むしろ人口密度に圧倒されているだけかも。一部屋に数十人が詰めて座っているわけだが、私はそもそも隣家まで徒歩20分の環境で育った人間だから、周囲に人が多いというだけで疲れる。村の小中学校は生徒数少なかったからまだ良かったけれども、高校では息苦しくて叫び出したくなるのをけっこう堪えていたのだよ。医者仕事はそれでもけっこう自分勝手が言えるし、息苦しくなったらちょっと隣室に引っ込んで一息入れることも可能なんだけれども。
まあ、座学は実質あと1日だけだ。実習はもうちょっと少人数になるはずだ。
