土曜から泊まって日曜で明け、また自宅待機番。今日は妻子が自閉症協会の行事で出かけてるんで、どうせオフでもやることがないから、それはそれで良いのかも。
夜間は来院が少なくて、よい医者のふりができた。内心はすごく狭量で厭な奴だってのが自分でも分かってるんだけど、さすがにこの歳になると、気さくで友好的で優しい小児科医ってのはこういう風に振る舞うもんだという、仮面的なお行儀を身につけてきたので、目一杯、「良いおいしゃさんのふり」を演じてみる。来院のお母さん達も、私のそういう意図を知ってか知らずにか、「良いおいしゃさんに出会えた幸せなお母さんのふり」をして下さる。定型発達のひとたちってこういう「共演モード」に自動的に入れるんだよなと感心至極ではある。
いや、演じている云々と皮肉る意図は毛頭ない。私のほうの尻尾はたぶん隠しおおせず見え隠れしてたはずなんで、たぶん皆さんその尻尾を見ないふりしてくださってたんだろうと思う。ありがたいことである。
良い医者のふりをして、「ああ俺は良い医者だなあ」と錯覚混じりにも思ってみる。錯覚だ自己陶酔だとは分かっていてもなお、それは快いことである。それを報酬として夜をポジティブに明かせれば、それはそれで有意義ではなかろうか。逆に、「本当の自分に正直に」とか言って、知恵も遠慮もない振る舞いをしても、何の益もない。だいいち来院のこどもたちやお母さんにとっては、私が本当はどんな奴かなんてどうでもいいことなので、どうでもいいことでお互いに不愉快な思いはしたくないじゃないか。
今日も空床は2/2。産科は満床。京都市内では母体搬送の空きはあるので、まあよいとしよう。
