健康診断

夜勤とか当直とかしているから、ひんぱんに健康診断がある。職場はとうぜん病院だから自前で健康診断をする。労働衛生の管理を雇用者に従属したスタッフがやるのって、何だか、監査が独立していない決算みたいなものじゃないかと思えるんですがね。制度としてそれでいいんですかね。
制度のことはともかくも、健康診断で大丈夫だったら勤務が続けられる。だめだったらどうなるんだろうと時々考える。NICU当直ができなくなった新生児科医をうちの病院は雇っておいてくれるだろうか。たぶん雇う余裕は無いんだろうなと思う。総枠は決まってるし、そしたら当直ができない人の分まで誰かが余計に泊まることになるし。
健康診断と言われるたびに、むかし観た仮面ライダー(シリーズのどれか)の1シーンを思い出す。悪の組織の下っ端サイボーグ(アリコマンダー?とか言ったか)がメンテを受けるシーンである。サイボーグ達がずらっと並んで寝かせられていて、怪しげな老科学者の回診を待っている。足元に老科学者が廻ってくると、サイボーグが頭を起こして「先生、廃棄処分だけは止めて下さい」と懇願する。老科学者は容赦なく、「廃棄」と毛筆で大書された半紙を彼の胸にべたっと貼り付けていく。サイボーグは絶望してがっくりと頭を落とす。
このシーンをテレビで見たときは、こいつら喋れるんだ、と驚いた。子供心に多少は可哀想にも思った。今となっては私自身が、「廃棄処分だけは止めて下さい」と懇願する立場になっているわけで、なんだか物悲しい。
老朽化に伴う廃棄の危惧に加えて、今じゃすっかり医療機関はショッカー並みの悪の組織みたいに扱われているし、いつなんどき正義の味方が乗り込んできて私をバイクで跳ね飛ばしたりライダーキックで蹴り飛ばしたり診療中に逮捕したりするか分かったものじゃないという危惧もある。所詮は下っ端のアリコマンダーだしなあ。白衣を着てるからシロアリコマンダーとでも自称するべきだろうか。ちょっとはしぶとくはびこれそうな気がする。
以下蛇足ながら高校のころを思い出す。吹奏楽部の楽器庫で、先輩がふと思い出したように「なんでショッカーは世界征服なんて言いながら幼稚園児を襲ってばっかり居るんだ?」と言った。当時の私には斬新な視点であったからおおいに驚いた。言われてみればせこい作戦だと思って大笑いした。しかし、いざ小児科医となり父親となってみると、サイボーグが幼稚園児を襲うってのは高校生が考えるよりもかなり恐ろしい事態であるように思える。我々2人の高校生はショッカーよりも浅慮であったようだ。ちなみに、この先輩ものちに医学部へ進まれたのだが、お互いショッカーの一員となろうとは、当時はまったく考えていなかった(と思う。たぶん。医学部かショッカーかと聞かれたらショッカーと答えそうな剽げた先輩ではあった)。
空床は0-0です。すみません。綱渡りしてます。

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