万年筆フリーク

スーパーローテートで来ている研修医が万年筆を使っている。普段からなんだか高級そうなのを使っているので、単によいところの坊ちゃんなんだろうと思っていたが、先日は白衣のポケットにラミーサファリをさしていたので、これは本当に万年筆好きなのかなと見直した。臨床はあまりろくなこと教えないくせに万年筆談義をするのも気が引けて、病棟ではその話題を振らないでいる。
いちおう私もMONT BLANCのMEISTERSTUCKを持っていたりする。むろん自腹で買ったものではない。妻の身内に長崎でも最大級の文具店の偉い人があって(だから妻は生意気にも子供の頃から鉛筆は三菱ハイユニだったらしい)、その方から頂戴したものである。
さすがにプロだと思ったのは、下さったのが定番149ではなくて146だったということだ。ル・グランとかいう製品系列のもの。149より一回り小さい。それが私の手の大きさによく合う(注)。149が定番なのは本国ドイツ人の手の大きさに合うからだろう。阪神大震災の時に海外から救援物資として届いた手術用手袋は大半が9号だったし、海外の人の手はやっぱりでかいんだろう。手術用手袋なら7号がフィットする私の手には149はたぶん大きすぎる。試し書きもしたことないからよく分からないけど。
‘注)Randomized controlled trial はしていないのでエビデンスレベル高くありません。はは。やってみたいなそういうRCT。
ただ病棟では万年筆はあまり使い出がなかった。というのは病棟で医者が書くものの半分以上が複写伝票だったからだ。3枚複写の退院サマリーなんて万年筆では3枚目が読めない。それでも強引に使っていた時期もあったが、さすがになんだかペン先の調子が悪くなってきたような気がして、いつのまにかボールペンに戻っていた。それが最近はオーダーリングのオンライン化が進み、気がついてみると複写伝票が相当駆逐されている。かえって、昔ながらに医者は万年筆という時代になりつつあるのかもしれない。戦前のように流麗な筆記体でドイツ語カルテを書いたりして。
当初は使い方もありがたみもよく分からなかったということもあって、そうとう荒っぽい使い方をしていたから、先日修理に出したら大半の部品が新しくなって帰ってきた。頂いた当時の部品がどれだけ残っているやら。なんだかトライダーG7みたいですが。でもこの万年筆を大事に使い続けることが私ら夫婦にとっては大事なことのような気もする。他のは買えないねということで、物欲に歯止めをかけている。

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