私のATOKでは「はっしん」といえば発疹ですが

発信力―頭のいい人のサバイバル術 (文春新書 (556))
樋口 裕一 / / 文芸春秋
日本の周産期医療関係者は、本邦の新生児学は世界一だと思っている。自分がそう思っているのに世界がそう評価してくれないのは自分たちの発信が足りないためだと思っている。ふつう、そういういう時は自分は自分で思うほどには凄くないんだと考えるものだがと、わが業界ながら書いてて多少は情けないが、私自身もじつは本邦の新生児医療は世界一だと思って疑わない口なので他人様に後ろ指をさすことは憚られる。
今後はどんどん発信しようと、今回の学会でも、是非にも海外で英文で発表しようよという檄が何回も飛んだ。その檄の「とってつけたような」さまは産経新聞社説を彷彿とさせた。
学会が終わって名古屋駅の本屋で発信についての本が目に付いたので買った。新書版だが名古屋京都間ののぞみで読んでしまえてなお時間が余るくらいだから、読みやすいと評価するべきなのか内容が薄いと言うべきなのか。小論文指導の有名人らしいから前者の評価でよいのだろう。この人の主催する作文の通信教育には娘もなにやら書いて送っているようだから、この人が外れだと私も金をどぶに捨てているようで業腹だ。
いろいろ指摘がある中で、「自分のことを棚に上げる」のが正しい態度だという記載になるほどと思った。何だかそれは下品な態度だと思ってたんですけどね。でも自分のことはとりあえず棚に上げないと議論が始まらないと著者は言う。そのとおりなんだろうな。考えてみれば発信なんてそう上品な行為ではない。
だから後書きで著者が、ほんとは自分もそんな下品な押し出しは嫌いなんだよと述べた下りを読んでほっとしたような気分になった。天の岩戸以来、こっちはこっちでおもしろおかしくやってるから見たい奴は見に来いというのが日本伝統の正しいありかたのはずなのだ。

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