ネットを通じて世界とつながるつながり方と、昔ながらの家族の縁や社会の縁でのつながり方との、いろいろな水準で人と人とがつながりあって、圧倒的に不利な状況で個別になら撃破されてしまいそうな状況であっても、そのつながりの力に支えられて強くなる。強くなって各々が各々のできる仕事をする。そういう物語だった。
先端的なネットがずたずたになった中で、当主のおばあさんがダイヤル式の黒電話を使ってあちこちへ電話をかけ、励ましたり宥めたりしながら一人一人の心に支えを入れていくシーンが印象的だった。あのような状況であの一本がどれだけ心身を支えてくれるか、私も不肖ながら多少は知っているように思うので、なおさら感動したのかも。偉い人はあれができなきゃいけない。というか、その一本の電話がどれほど人の支えになれるか、それこそがその人の本当の偉さなんじゃないかと思う。
何となく録画してあったのを、昨夜の夕食前に思い出してつけてみたら、娘や妻ともども熱狂してしまった。たいへんによくできた物語だと思った。読者諸賢には、私が素直に誉めるということがどれほど珍しいことか想起されたい。威張って言うことじゃないけれども。
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蛇足かもしれないが、神木隆之介君も桜庭ななみさんもよくやったと思いますよ。アマゾンでは賢しらなレビューアに酷評されてるけど。彼らを起用するという商売の手法は、映画のできばえを制作者自身が信じていないようで、私もあまり感心できないけれども、それで神木君や桜庭さんを責めるのはお門違いかと思う。彼ら自身は与えられた仕事をよくやったと思うけどな。それは映画の登場人物の各々が、互いに支え合って各々の仕事をしっかりこなしたように、周りのスタッフがしっかり支えたのだと思うけれど。