それはもう因果としか申し上げようがございません

 新生児蘇生法のインストラクター資格を持っている人のうち、実際に講習会を開いた人は2割程度とか。講習会の需要がないわけじゃなくて、受講希望者が私のお粗末な講習会にも関西はおろか中部北陸からもおいでになる。

 それじゃいかんだろうと学会も問題視してて、インストラクター養成の講習会をさらに増やし、内容も濃くして自信をつけさせて、開催へのハードルを下げようとしている。学会の皆様の労を多とするところである。

 ただまあ、それで画期的に状況が改善するかどうか。

 ようするに、蘇生法インストラクター資格も、個人の資格のひとつとして取った人が大半だろうし。小児科専門医とか、新生児専門医とか、医学博士とか、そのほかもろもろの資格一般の一つとして。個人の属性として。あるいは、施設の属性として。専門医が一人くらいは出てないと研修施設として認めませんよ、みたいなことを学会からほのめかされると弱小施設は辛いんだ。

 専門医の資格をとらせる。国内国外に留学させ研鑽させる。個々のNICUの人的リソースを充実させる。そういう活動はたしかにしっかり行われるべきものなんだけれども、だったら、資格の一つとして蘇生法インストラクターも持っておこうという風潮はその延長だってことも覚悟して見据えておくべきなんじゃないかと。

 まあ、講習会の開催率の低さってのは、いまの学会のありかたの因果応報ってやつじゃないかと。