ヒラカワの見方より、内田樹先生のお言葉
そうではなくて、若いときの欲望にドライブされて60歳までの人生を単線的に律したムスターファくんが、「60歳のガキ」になってしまったという悲惨さのうちにあります。
キャリアパス的思考のピットフォールというのはここだと思います。
18歳や20歳のときの幼い想像力が描いた「アチーブメント」とか「サクセス」の呪縛に未来をまるごと投じることのリスクを過小評価してしまうこと。
これに尽きると思います。
それは自分の未来の未知性、「自分がこの先どんな人間になるのかを今の自分は言うことができない」という目のくらむような可能性を捨て値で売り払うということに等しいのです。
もう頭がくらくらする。医学生の頃にこういうことを指摘してくれる師に出会えなかったものだろうか。医学部なんて所詮は医学専門学校だしなあ。