前回で引用した記事から、さらに引用。
年間の死亡率を10万人当たりで見ると、日本の1〜4歳児は33.0人で、ほかの13カ国平均より3割多く、米国(34.7人)の次に高い。米国は他殺(2.44人)の占める割合が大きく、この分を除くと、日本が最悪になる。最も低いスウェーデンは14.3人。
病気別には、先天奇形や肺炎、心疾患、インフルエンザ、敗血症などが13カ国平均に比べ高い。不慮の事故は、平均とほとんど変わらなかった。
ほかの年齢層の死亡率は、すべての層で13カ国平均より低く、全体では10万人当たり783人で、13カ国平均より15%低い。0歳児については340人で、13カ国平均の約3分の2で、スウェーデン(337人)に次いで低い。新生児医療の整備が大きいとされる。
むろん詳細はこの研究班の研究結果が出ないと分からない。田中哲郎先生は小児医療体制の構築について以前から詳細な研究をなさっておられる方で、そうそう無責任だったり杜撰だったりする研究成果を発表なさることはない。私のスタンスは、こういう速報ではなくて正式発表を持して待つというもの。
そうとは言えこの報道で動揺したのは事実だし、他にも動揺なさった皆様が周辺の小児科医を軽蔑し始めたりなさると辛い。無い知恵をしぼってみた。
上記引用で、1〜4才の死亡率が十万人あたり33人、これが諸外国より3割多いとするとだいたい諸外国と言うのは25人という検討なのだろう。25人の3割増だとだいたい7.5人増で33人程度になるよね。で、この増加分7〜8人が0歳のときに亡くなったとしてみよう。そしたら日本の0歳での死亡率は347人だ。いや、1から4歳までの4年間だから4倍増で340プラス(7かける4)で368人か。年齢別の人口にそれほど大きな変動が無いとしてだけどね。なんぼ少子化の御時世でも0歳1歳2歳っていう小刻みなレベルでは人口はそうそう変わらないだろう。実際の10万あたり340人という数字が比較対象国の3分の2ってことは諸外国は十万人あたり500人あまりは亡くなってる計算かな。0才児では368対500以上。人口の変動そのほかの要素をみこんだとしても、まだまだ日本の方が優位に見えるが。
むろんこういう報道をきっかけに小児医療の拡充に拍車がかかるのは喜ばしいことだ。ついでにスウェーデン並みの福祉国家になれたらとも思う。でもまあ情報操作すれすれのことをして目標を達成しようとしても、ばれた時点で前より悪い位置に逆戻りすることになるから、あざといことはあまりしないほうがよいとも思っている。で、こういう試算もしてみましたということで、ご一興までに。