「パラサイト・ミドルの衝撃」三神万里子著・NTT出版には、45歳以上の奴らって働きもせず若手の稼ぎに寄生してるじゃないかと論じてある。昨今は、色々と新種の寄生生物が生物学以外の研究者によって発見されているらしい。しかし本書はパラサイトミドルの惨状に心を痛める人々を相手にした書ではなく(そういう本ならごまんと出てますけどね)、多分、そうなのか俺の周りの45歳以上があんな風なのはそういう訳だったのかと、実体験に照らして頷く人を読者に書かれた本である。例えば私みたいなね。飛びついて買って読みましたよ。自分の周りの年長者見てても、自分の将来の理想像ってのが全然描けませんもんね。ひょっとして私は間違った場所に居るってだけかな。NICUの局所的な居心地の良さに騙されて。本書によればどこに行っても同じなようだけど。どこの45歳以上もうちと同じだとしたらね。
本書の効能は、単に溜飲を下げるのみならず、何だって今の世知辛いご時世にこの世代がこんな風になってしまったのかという分析を詳細に行ってある点である。その分析が当たってるのかどうかは私にはわからない。でもああいう風にならないためにはどうすればいいと考える一助にはなるかも知れない。全助にしようと思うようなマニュアル発想ではパラサイトミドルまっしぐらなんだろうなとも思う。
