いまさら911

911の一連の事件での、さまざまな矛盾点を突いたドキュメンタリー映画。1時間半ほど。よくできています。この規模の映像まで見れるようになったんだねと、ネットの技術的な進歩にまず感心しました。
http://video.google.com/videoplay?docid=4377032998245988095&q=Loose+Change+2nd+Edition
むろん、政府の自作自演を直接証明するような証拠はなかった。「こんなことが可能なのは米国政府くらいしかないだろう」というものだった。そりゃあ当然で、これが制作者の言うように米国政府の自作自演だったとしたら、こんな恐ろしいことをやらかす政府なら、そんな証拠を明るみに出そうとした日には制作者を簡単に抹殺するだろう。

戻す受精卵を「1個に」大阪府医師会委員会が提言

体外受精の際に子宮内に戻す受精卵を1個に制限するようにとの提言を、大阪府医師会の周産期医療委員会と多胎に関する検討小委員会がまとめた由、昨日(12月22日)の朝日新聞朝刊で報じられた。
筋の通った提言だと思う。真っ当な指摘である。あんまり真っ当すぎて、今までこういう基本的認識に関わる議論すらなされていなかったのかと、我が身や我が業界を振り返って呆れたほどである。「呆れた」とはいささか無責任な感もある表現ではあるが。とにもかくにも、綱渡り的に日々のNICU空床捻出に苦労している身としては、この提言が相応の効力をもって広く行き渡るようにと強く願うものである。
戻した受精卵がすべて着床に成功するとは限らないので、戻す受精卵の数が少なくなれば、妊娠に至らない可能性が高くなる。その「失敗」を嫌って、不妊治療関係者には、多くの受精卵を戻したいという心理が働くのであろうと推測する。
しかし、失敗というなら多胎妊娠も不妊治療の失敗だと思う。記事にあるような「死産率は5.8倍、早期新生児の死亡率も5.7倍になるほか、32週未満の早産の割合は14倍に上る」というハイリスク妊娠をつくっておいて何が成功であるものか。もしもそれが許容範囲なのなら、少なくとも今後は、複数の受精卵を戻す際には、母や児への危険がこれこれ上昇するが宜しいかと、きちんとしたインフォームドコンセントがとられることであろう。さらには、言うまでもないことだが、この周産期の危険を首尾良く切り抜けたとしても、双子や三つ子の育児負担は苛烈そのものである。生きて産めればそれで良しという訳にはいかないのだ。産んだ子どもは育てねばならないのだ。それを考慮に入れてそれでもなお、不妊治療を行う先生方は、多胎妊娠もまた不妊治療の成果だと言えるのだろうか。
ご家族にとっては、双子や三つ子も宝でありましょう。そのご家族の認識に異を唱えるものではありません。まあ、皮肉屋な私としては、「ときには悪魔」ってこともあるんじゃないか位は申すかも知れませんが。それを言うならうちの自閉症児も宝ではあります(むろん、時には悪魔です)。ただ、息子が自閉症になった由縁が分娩時にあったとしたら、その分娩は失敗であったと言わざるを得ません、と、そういう次元のお話です。
いささか不妊治療医に対して辛辣な言い方ではある。でも彼らが作るハイリスク妊娠の、リスクを引き受けるのは彼らの同輩である産科医、そして我々新生児科医である。(むろん第一義には産婦さんとこどもたちだが、それは別格として)。NICUはおろか分娩施設すら持たないビル診療所で多胎妊娠を連発する不妊治療医って、医師仲間への信義に欠けるんじゃないかと、常々思う。さらに言えば、そういう多胎があちこちのNICUを埋めてさえいなければ、先だっての奈良からの母体搬送も、5施設めくらいで搬送先が見つかったんじゃないか。私の邪推に過ぎないだろうか。
もうお産はやってられないから今後は不妊治療に専念します、って、なんか釈然としないんですがね。その子の分娩は誰が診るのよ。別件ですが。

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