包装
このブログはしょっちゅう読みに行っています。
きっちりした仕事にプライドを持っておられるのが快いです。その仕事の内容がまるで訳が分からんと言うのもまた面白いです。
でも細かな工夫を色々されているのが行間から(ってしっかり本文にも明記してあるけど)読み取れてよいです。あんまり他業種の業種ならではの工夫に変な教訓を読みこむとビジネス説教雑誌の記事みたいになって美しくないので、面白いなでとどめます。
このブログには、変な言い方だけど、素人向けの解説に走らず今の路線を維持して欲しいです。
医学雑誌ってのも世の中にはあるし病院内では大量の伝票が出回っているしで、印刷とか製本とかの業界に全くお世話になっていないってわけではないのですが、印刷製本って、機械の取り込み口に紙をどさっと重ねて置いて機械の上の大きい漏斗からインクをどぼどぼと流し込んで小さい漏斗からは糊をたらたらと入れてボタン一発押したら真っ白な紙が本になって出てくるものだと漠然と思ってました。失礼しました。それって未熟児を保育器に入れて3ヶ月じっと待ったら太って出てくると言うのと一緒。
月: 2004年8月
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まるっきり縁のなさそうな業界で仕事にこだわりのある人のブログ
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医療関係者は今日の内田先生の記事をすぐに読みに行こう
急変に際して頭が真っ白になった経験のある医療関係者は内田先生の記事を早速読みに行くべきです。今日の「旅行代理店哀話」と、過去の「ゼミが始まったのだが・・・」の二つを。一部引用しますよ。
こういうときに、どうふるまうかで人間の「器」というものはよくわかる。
私が知る限り、ほとんどの人はこういう状況に追い込まれたときに、「誰の責任だ?」という他罰的な文型で問題を「処理」しようとする。
でも、こういう局面で「責任者」を探しても、そんなのまるで時間の無駄である。
「はい、私が責任者です。今回の件は私が悪うございました。すべて私が責任をもって後始末をぜんぶしますから、ごめんなさいね」
というような人間が「責任者出てこい!」と言ったらすぐに出てくるようなきっちりしたシステムであれば、そもそもこういうトラブルが起こるはずがない。
だから、海外でトラブルに巻き込まれたときは、「誰のせいだ?」というような後ろ向きな問いをいくら繰り返してもまるで時間の無駄なのである。
それより「この窮状からどう脱出するか?」という前向きの問いにシフトしないといけない。
この「他罰的問い」から「遂行的問い」へのシフトができるかできないかにリスクマネジメントの要諦はある。
人間の生存能力の高さは、このような局面において、どれほどすばやくかつ快活にこのシフトを果たせるかによって計測できる。 -
井上康生さんの敗戦に
今後の井上さんの復活に注目したい。
スポーツ柔道のメダルを再び勝ち取ることだけが復活だとは思わない。具体的なことには想像力が及ばなくて恐縮だが、本当の復活の姿を見せるのはもっと難しい事じゃないかと思う。単に次の試合に勝つだけなら自らを「強い柔道選手」であると証明するのみなのだが、「真の柔道家」がすむ世界はもう少し次元が高いところじゃないかと思う。
その道で頂点を極め最強と言われた男がただ1回の敗戦で脆くも潰れてしまうようなら、柔道など高の知れた余興だということになろう。いくら日本柔道の競技レベルが高くてメダルを何枚取れていたとしても、皆が皆オリンピックを目指すわけじゃなし、それだけでは子供たちに柔道を学ばせる根拠にはならない。むしろこの敗北から井上が立ち上がって見せ、なるほど柔道を学べば人生において少々の躓きがあっても強靱に立ち上がれるらしいぞと証明して見せたら、父親としては息子に柔道を学ばせておくのもよいかもしれないと思えてくる。自閉症さえなければね。
多くの子供たちが柔道を学ぶ。中には学業も遊びも全て犠牲にして柔道に打ち込む子供たちもある。しかし当然ながらその大多数はスポーツ柔道の実績を残すほどの選手にはなれない。いずれかの時点で己の限界を悟って道場を去ってゆく。彼らに柔道の勝ち方を教えるのは他の金メダリストでもできるだろう。しかし負け方を教えられるのは井上さんだけだろう。
結局、負けてもなお井上さんは柔道界を背負って立つ最強の柔道家なのだ。 -
エキブロ総合病院での提言に
提案です
昨日はエキブロ総合病院の運営に関して、量が多い割に具体性に欠けるくだごとを書かせて頂きました。その後、真意をご理解頂いたばかりではなく私では及ばなかった具体的な提言へ止揚していただいています。「まさにこれが言いたかったのよ」って感じですか。
問題解決能力の高いチームだなと感心しきりです。エキブロ総合病院の実力は相当高いですよ。今後に期待します。
私自身はあんまり華々しくは参加しないと思います・・・まあNICUは病院の奥まった一角で人知れず独自の道を行き一般病棟や外来の目に付くところには滅多に出てこないものですから・・・トラックバックやコメントでの発言(口出し?)はさせていただくかもしれません。ただし医療相談への回答は自粛します。・・・現役で臨床にいる小児科医でしかも自閉症児の親なんて立場でいざ医療相談に乗りだしたらもう他のことが一切できなくなるに決まってますから。 -
いろいろ変更
検索機能が付いたのを機にいろいろ変更しました。
一目瞭然でしょうけど、一応覚え書き的に。
スキン変更:テキストの分量が「メタルレィディ」には重すぎるようなので。
医療関係者のexciteブログへのリンクを一気に削除:代わりにエキブロ総合病院追加。
大抵はここから行けるでしょ。「しんぞうのおんな」は別格ね。
メモに「われわれの存在を嘆くな」へのリンク追加。必読文献。
それでは今後ともよろしくお願いします。 -
開院おめでとうございます・・・新生児集中治療室から
エキブロ総合病院ほんとにできました。
exciteにブログを作っておられる医療関係者を集めたブログが本格的に動き始めています。物事がうまく動き始める現場を見ているのは幸せな気分です。医療関係者のブログへのリンク集は便利さも格別です。あろうことか不肖「こども」のおいしゃさんである私でさえ有り難くもお誘いを頂きました。目に留めて頂くのは嬉しいことです。
仕事の不満をぐちぐちとウエブ日記やブログに綴る私のような小僧など相手にしない方が物事は上手く行くとは思うのですが・・・開設についての感想を書かせて頂きます。滑り出し前に書かれるといきなり腰が砕けるような内容ですが、これだけ順調に出発された後ならば私が少々水を差したところで動きが止まる事は無いでしょう。物理には慣性の法則というものもありますし。 -
犬文字
京都に出てきて間もなく寮の先輩から聞きました。ほとんど伝説化していて具体的に何時の時代に誰がやったのかは先輩も知らなかったのですが(本当にあったことなのかほら話なのかも分からない)。その後複数の筋から同じ話を聞きましたし割と有名なことかもしれません。
大文字山の火床に強力な光源を(電灯という説もあり焚き火という説もあり)学生が持って登って、大文字を犬文字にしてしまったというもの。
後の顛末も、大文字山じゅうを追いかけ回されたとか笑って済まされたとか色々な説があります。昔から京大生は「学生はん」と呼ばれて少々の羽目外しは笑って済ますのが京都の伝統ですから案外と笑って済まされたのかもしれません。ものが何であれ血相を変えて怒るのは何か京都らしくないような気もします。
大文字はうちの病院から間近です。ゴルゴ13なら大文字の火床から病室の入院患者を狙撃できると思います。
うちの隣の幼稚園は年長組の遠足で大文字に登ります。さすがに、割と剛毅な幼稚園だなと思います。 -
戦争に負ける手続きすら知らなかった
半藤一利さんの「昭和史」を読んで色々と勉強になりました。その一つが、太平洋戦争は始める手続きも失敗したけど終わるときの手続きも阿呆だったってことです。
8月15日は本来「終戦の日」と呼ぶべき日ではなさそうです。あくまでもこの日は無条件降伏の意向を日本が表明した日です。戦艦ミズーリの船上で降伏文書に調印したのは9月2日です。例えば8月20日あたりに旧連合国の一国がとつぜん本土に上陸侵攻していたとしたら、それは国際法違反だと言えたのでしょうか。「まだ日本は正式には降伏してないんだから我が国と日本は交戦状態にある。内部的にどんなラジオ放送していようが当方の関心事ではない」って言い張られたら辛かったんじゃないかな。 -
ふたごふたごふたごみつご
多胎児だらけ。
1200・1800双胎の分娩があった日の準夜に29週品胎1児死亡の母体搬送オファーがある。先だっての超未熟児双胎もまだNasal-CPAPとれていないのに。その前の双胎もまだ未熟児無呼吸発作が落ち着かなくて保育器からでられないのに。その前の双胎がようやっと週末帰るところまでこぎ着けたところなのに。まだ生まれていない双胎も産科に待機中なのに。
ふたご・ふたご・ふたご・ふたご・みつご。うちはもう保育器一つも空いてませんよ。
着床させるだけの不妊治療ならNICUを持たない産科施設でも可能です。でもねえ・・・・・周産期のNICU病床数の保証もない京都の現状で不妊治療が先走るあまり多胎が連続するってのは思慮が浅いような気がするんですがね。人間の不妊治療は鮭の人工孵化じゃ無いんだから数ばかりたくさん妊娠させて後は勝手にねって放流するのはお門違いですよ。
29週品胎1児死亡(2児生存ね)の赤ちゃんは別々のNICUに一人ずつ入院されたそうです。品胎(三つ子のことね)なんてNICUに縁なく過ごすのはまず無理なんだからNICUのない施設で作っちゃいけませんよ。一人1500gずつでも合計4500gですよ。小学校で算数を習ってきたんなら分かるはずだよ。そりゃ医師国家試験では算数の計算問題は出題されないけどさ。暗算が出来ないなら四条寺町で500円出して電卓買っておいでよ。でも暗算できない産科って語呂が悪いね。安産できません・・・・はは。
それにしても毎年この時期は早産児がむちゃくちゃ多いような気がするんですが。昨年暮れの冬のボーナスの札束を握りしめて念願の不妊治療に取りかかった人たちが一斉にいま未熟児を産んでおられるのではないかとも思えてきます。邪推でしょうね。むろん患者さんを責めてる訳じゃないですよ。責める訳じゃないですけどね・・・むしろ我々周産期医療組の不手際でご迷惑おかけしてるんだから・・・でも一度調べてみるのもためになるかもしれないな。 -
「影武者徳川家康」 隆慶一郎 新潮文庫
帰省中に父の書棚に見かけて読みふけってました。世の中にはとんでもないことを思いつく人があるものですな。虚実を越えて面白い本でした。関ヶ原の戦いの時に徳川家康は実は死んでおり、その後の家康はじつは影武者だったというもの。それが全く虚構というわけでもなくて、そう考えたほうが辻褄が合う史実が数多くあるらしいです。
時代劇に人生の教訓を読むオヤジにはなりたくないなと思うのですがね。でもこの影武者は恰好良いです。
