中1日3連の当直の最終日

今日は中1日当直3連の最終日。明日から3日あいてまた土曜に当直。そんな先のことを考えていたら気が滅入るので、「明日逢える?」「そんな先のことはわからない」の伝で行くことにする。
じっさい今月も来月も週末に休める見込みがまったく立たない。12月も同様だろう。年末年始もどうなるやら見当もつかない。こういう年末年始に限って8連休なんだ。やれやれ。
きのうの夕食時に娘がカニの話をした。一パック千円以下になったら買っていい?妻も温泉とカニのツアーっていいよねと言った。そうだね行きたいよねと私も言った。いつかね。そのいつかがこの冬も次の冬も、帰納法的な形で延々と半永久的に来ないことは3人ともわかっていたのだけれど。いいよね。いつかね。
息子は何に疲れていたのか、私らがそういう話をしているときには眠りこけていた。私が食事を終えて一息ついているとごそごそと起きてきた。目覚めてしばらくはものが食べられないたちで、まず宿題を始めた。公文だか学校のだがしばらくごそごそと書き物をして、それから飯と味噌汁をよそってきて食べていた。
「世界のSL特集ってやってるぞ。見るか」
「見る」
「あの炭水車の横に書いてあるLMSって何の略だ」
「ロンドン・ミッドランド・スコティッシュ鉄道」
「すごいなそんなことも知ってるのか」
「三灯式信号機やね」
「何に注目してるんだよお前」
思わぬことを知っている信号機フェチの息子とぼちぼちケーブルテレビを観ていた。9時ころ私が眠気に耐えかねて隣室に寝にいったら、漏れてくるテレビの音が変わったので、あれは私が寝るのをまって「ラチェット・アンド・クランク4」をやり始めたのだろうと思った。彼のように、「いつか」を言わず、宿題をして食べ慣れたものを食べてもう何周目かのやり慣れたゲームをして、翌朝6時に起きて火曜金曜なら燃えるゴミ水曜ならプラゴミを出して、の淡々とした日々で足るを知ったことにすれば幸せなのかなと思った。
たぶん、そうなのだろう。
世の中には中学受験準備中の娘と「いつか行くカニと温泉の旅行」の話をしながら夕食を食べられるお父さんがどれほどいるか。たぶん、世のお父さんたちの中には、私を哀れむお父さんより羨ましがるお父さんのほうが多いんじゃないか。
たぶん私は、じつは自分の一生のうちでもけっこう幸せな時期を過ごしているんだろうと思う。
たぶんね。

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