サスペンド、というサスペンス(あと2週間) – 感染症診療の原則
まあ、予想通りの結論と言えば結論。緊急会議の第一の目的は、この議論を緊急にやるべきかどうか、ということを議論することにあるんだろうから。で、まあまあ腰を落ち着けてじっくり話し合いましょう、ということになったのだというのが私の解釈。
この二つのワクチンを何年待ったことかと考えると、拙速のあまり無期限中止なんてことになったら悔やんでも悔やみきれない。今回の「あわてるな」という結論はまことに時宜を得た結論だと思う。評価する。設定された2週間のあいだに十分に議論をして頂きたいと思う。
こうして待つあいだ、世論もじっくりと腰を据えて待ってくださっているように思えて、世の中は進歩しているのだなと喜ばしい限りである。なにさま、予防接種の副反応を原疾患の危険度と比較して定量的に考えるなんていう議論は、20世紀末の日本では不可能だった。現代の親御さんたちには信じられないことでしょうけど、口にすることすら憚られていた。副反応によって健康を害された人の人権をふみにじる、非道はなはだしい議論だとされていた。いや原疾患で健康を害した人はどうなるの?と言えなかった自分たちにもふがいなさを感じて忸怩たる思いではある。