救児の人々

救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか (ロハスメディカル叢書 1)

救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか (ロハスメディカル叢書 1)

NICUの仕事が閑散としていたので、昼間から本書やら医学雑誌やら読んでいた。本書を読むのは3回目くらいだろうか。読後感がよろしいような宜しくないような本だといつも思う。

何かに連載された記事のまとめなのだろうか、本書は冒頭部分と最終章あたりで著者の意見がだいぶ変化しているように思えた。冒頭では著者は新生児に対する選択的医療停止をかなりあからさまに主張しているのが、終わり頃には影を潜めているように思われた。当初の主張が影を潜めた代わりに何かほかの主張が出てきたかというと、そうでもなくて、最後のほうはインタビューの相手が言うことをひたすら筆記することに徹していた。当初の主張といってもずいぶんプリミティブで論拠の浅い主張だったので(自分の体に匹敵する大きさのメスで手術されるのは怖いだろうってのが治療停止の理由になりますか?)、取材を重ねるうちにご自身が取り組んだ問題の大きさ複雑さに圧倒されたのではないかと思った。まあ、それでよいのだが。

救児の人々” への2件のフィードバック

  1. こんにちは、私もこちらの本、読みました。NICU経験者としては複雑な思いもありました。何回読んでもスッと心に入っていかないというか…現場の葛藤は非常によく伝わって、改めてNICUの先生方のご苦労を思い返す場面は多々ありましたが。「こうすべき」という明確なものがないのが、この世界なのでしょうね。

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  2. miki_renge様 いつもありがとうございます。聖書とかコーランといった「大きな物語」の原型があるような文化とは違って、本邦での生命倫理に「大きな物語」はたいして役に立たないのではないかと思います。小さな物語が集まって大きな流れになるのが本邦の本来のあり方かと思います。それはしかし、大きな物語を基準にして異端者を断罪するのが好きな人たちには、気にくわない状況だろうと思います。

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