日本がものづくりの国だなんて誰がほざいた戯言なのか 

[http://kokuhaku.keikai.topblog.jp/blog/10008817.html:title=【シリーズ告白】 (株)メトラン トラン・ゴック・フック氏 – 経営者会報 社長ブログ

メトランの人工呼吸器はうちのNICUでも使っている。タフで安定した機械である。安心して限界まで攻めることができる。その上、大事なことだが、私ら弱小NICUでもそろえられる程度に安価である。

社長さんがベトナム出身だとは知らなかった。引用先の記事を拝読すると、想像を絶する辛酸を舐めてこられた方である。こういう人が世に問う人工呼吸器ならタフなのも当然だろうと思う。製品の吟味も確かだろうし、たとえ不具合が判明したとしても、これまでのご苦労に比べれば不具合の公表など軽いものだろうから、隠蔽などと言う怯懦な所行に走ることもなかろう。今後も安心して使いたいと思う。

しかしこの記事(PDFの1枚目後端から2枚目にかけて)に、気になる箇所があった。

 ある大手メーカーに部品供給をお願いしたときのことである。
 その会社の製品を高頻度人工呼吸器に使いたいと依頼したところ、社長からこんな言葉が返ってきた。
「何か事故でも起きて、うちの名前が出たら取り返しがつかない。勘弁してほしい」
 同じような理由で断られたことは、一度や二度ではなかった。人間の生死がかかる製品に自社の部品を供給して、リスクを負うようなことはしたくないということなのだろう。

 で、どこの政府が弱腰なんだって?と聞いてみたくなる。日本がものづくりの国なんて、いったい誰がほざいた戯れ言だと思う。この社長の心意気に答えられなかった時点で、すでに、日本の製造業がベトナムや中国や台湾に喰われてしまう萌芽がみえてたんじゃないかと思う。いつ壊れてもいいようなどうでもいい製品しか作るつもりはございません、なんて態度では、そりゃあ、安い方に仕事を喰われるでしょうよ。

 大手に断られたけど技術力があってリスクをいとわない中小には受け入れられた、となったら、もうすこし救いはあるけれども、でもその中小企業をいまばしばしと潰しているところだし。けっきょく日本のものづくりは終わってるってことに変わりはないのかも。

 

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