一転して満床

ひところの閑散が嘘のように、NICUは満床が続いている。

10年以上もNICUにいると、閑散期や繁忙期があるのは既知のことで、とくに経営に関して責任を問われる立場でなかった頃には、いくら閑散としていてもそのうちまた忙しくなるさと、収益のことなどまるで気にもしなかった。一昨年から1年以上にわたる閑散期はさすがに先が見通せず、これで我々の役割も終わったかとなかば観念したものだが、閑散期は必ず終わるものだとの経験則の方が勝ったようだ。というか、必ずまた忙しくなるから暇なうちには英気を養い知識を磨いておけという教訓を、信念をもって実行しておかなければならんなと思った。おそらくそれは信仰というのに類した心構えなのだろうとも思った。

閑散期の間もおろおろするばかりで、暇であればこそできたはずの勉強がやはり不足していると思う。やはり信仰が足りないのだろう。なんの神に対しての信仰かはさておいても。

それはそうとしても各地でNICU病床の充足は進んでいるようで、このまえ学会で聞き込んできたうわさ話によれば、東京でも、都内どこにもNICU空床がないという絶望的な夜はすでに絶えたということである。神奈川でもまた、県内に空床がなく赤ちゃんを東京へ送り出す必要に迫られることはほとんどなくなった由。まあ、喜ばしいことではある。

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