カテゴリー: 森羅万象

  • ジロが始まった

    昨夜は新生児蘇生法の講習会を終え、のこった病棟業務を終え、病態の難しい子のカルテを読み返してうんうん唸って、遅く帰った。夕食をとりながら、そういえばと思ってケーブルテレビをつけてみたら、ジロ・デ・イタリアの第1ステージが生中継されていた。

    最近、ちょっと疲れてたんだけど、ジロをみてわくわくできるだけの余力は残っている。まだ燃え尽きてはいないなと思った。それだけでもありがたい。

    いちどチームタイムトライアルというのを生で見てみたいものだと思う。平均時速54kmとかで走り抜ける自転車の隊列ってどんなものだろう。日本では行われているんだろうか。いちど大原あたりで休憩していたときに、5人組みくらいの隊列が走りすぎるのを見たことがあるのだが、まさに疾風だった。エンジン音がしないんで、いきなりすぐ近くをすり抜けられて驚いた。かなり怖かった。あれより速いんだよな。

    震災に苦しむ日本を応援しようと、日本人として唯一出場するTeam Radioshackの別府史之選手が、特注のリストバンドをつけて走っている。自チームや他チームの選手にも配っているとのこと。彼には頑張って欲しいと思う。
    ひとりじゃない 〜You are NOT alone.〜 | Life is Live! | 別府史之 Fumy BEPPU Official Site

    それにしても。

    2009年のジロではデニス・メンショフダニーロ・”キラー”ディルーカが死闘を繰り広げた。無表情なメンショフとは対照的に、ディルーカの形相は、鬼の形相とはまさにこのことかと思った。
    “キラー”ディルーカ、いまだ総合優勝をあきらめない : CYCLINGTIME.com

    おりしも、イタリアは震災の余波に苦しんでいた。被災した自国民を応援しようという意思をディルーカは表明していた。

    アブルッツォ州ペスカーラに生まれたディルーカは、今日の勝利を最近起きたアブルッツォの大地震の犠牲者に捧げた。彼は「今日、俺は故郷のために勝ちたかった。この目標を達成できて嬉しいよ」とコメント。

    しかし彼はドーピングをしていた。
    ディルーカ、ドーピングを告白 : CYCLINGTIME.com

    どの面さげて、と、私ごときが申し上げては不遜に過ぎるのだろうか。いったい、ドーピングして出場したレースの何をもって被災者を勇気づけようと言うんだろうか。犯罪でも何でもやって復興しろとでも言うのだろうか、と、色々と複雑な思いがした。

  • ソドー島にはじめて走った機関車は日本製だったって知ってた?

    ソドー島も狭軌だったのか部門より

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    ケーブルテレビで放映されていたのを息子が録画していたんで、一緒に見た。ソドー島鉄道の黎明期に、かの島を初めて走った機関車はなんとなんと日本製だったとのこと。フォルムはD51のように見えるが。とすればソドー島鉄道も狭軌だったのだろうか。

  • 便乗値上げをしたホテル、炎上したブログ

    東北関東大震災の発生した直後に、東京の社長さんがブログで、混乱に便乗して宿泊代を値上げしたホテル社長を賞賛して、ひんしゅくを買った。結局、ブログが炎上して閉鎖してしまった。

    でも今の世の中だと、震災のときに帰れない人を目当てに宿泊代を10000円から15000円に値上げしたことなんて、ころっと忘れられるんだろうなと思った。たぶん何事もなかったように、そのホテルはこれからも繁盛してゆくんじゃないかなと思う。そのホテルが潰れるのは、こういう価格変更が記憶されて閑古鳥が鳴いたときではなくて、隣に9800円のホテルができたときなんだろうと思う。

    もし本当にお客さんが憶えていると判明したら、そのときには看板を付け替えて壁紙を貼り替えて、系列のホテルと職員を交換して、「悪徳ホテルが潰れたから施設を買い取って心機一転、良心的なホテルが新規開店いたしました」という物語を描いてみせればよい。社長さんの懐にはそれほどの痛みもないだろう。

    一円でも安い店をネットで探して容赦なく乗り換えるお客さんなんて、いまどき珍しくもないだろうに。取引停止をちらつかせて下請けや卸を泣かすなんて今の日本には日常茶飯事だろうに。そういう購買行動がのさばっている時代に、売り手にばかり昔ながらの商売の道徳を要求するのはアンバランスなんじゃないかと思う。

    じっさい、こういう社長さんたちが繁盛しているからには、こういう社長さんを繁盛させるようなお客さんがいるんだろうと思う。生き馬の目を抜くように、義理も人情も抜きで価格だけが勝負みたいなお客さんが。そういうお客さんと社長さんとで、成り立っていく経済もあるんだろう。あんまりお近づきになりたくないけどね。

    せめてそういう人たちには、自分たちがひどく下品なことをしているんだと、自覚してもらいたいと思う。自分たちが社会のメインストリームだとかいう勘違いはしないでいただきたいと思う。お天道様の目を憚るようなことは、あんまり自慢げに語ったり人に勧めたりはしないものだ。

  • 天罰について

    震災そのものは天罰とは思わない。

    被災した方々よりも原発のほうを心配する羽目になったことこそ天罰だと思う。

  • 正しい悪の組織のありかた

    「悪の組織」の正しいあり方について。

    たとえば石原慎太郎首領閣下であるが、このたびの震災を「天罰」と喝破された。震災の膨大な被害や、原発の事故や、なにやかやで人心が鬱屈してきた時期、どこかに怒りをぶつけたいが良識ある身には誰を攻撃しようもないという時期に、実に正しいタイミングで石原慎太郎的な言動をとられた。もちろんのことに大顰蹙を買ったわけだが、この大顰蹙にエネルギーを吸い取られて、賢しらな政府批判が始まるタイミングが数日遅れたように思う。

    なんで彼はいちいちあんな爪の先でガラスをこするような言動をとるんだろうと考えてみる。ここらでこういうことを言わねばならんと彼のゴーストがささやくんだろうけど、そういう、正しい「悪の組織」のありかたを彼は感覚的に知ってるんだろうと思う。むかし露悪的な小説を書き始めたころからの、同じ魂が彼を駆動してるんだろう。毎週日曜の朝にそろそろ仮面ライダーの活躍を観たいなと思って早起きするよい子のおともだちの期待を裏切らず、きちんと改造人間を送りつけて幼稚園バスとか襲撃させるショッカーの偉い人のように、世のため人のため、「許しがたい悪の組織」がなすべき仕事をきちんとこなしておられるんだろうと思う。

    その後の撤回のしょぼさもまたお約束であって、ドクロ型の噴煙をあげて爆発したあげくに三人乗りのタンデム自転車で逃げるような、じつに正しい「許しがたい悪の組織の末路」を演じて見せたわけだ。すばらしい。彼の人気が絶えないわけだと思う。

    閣下の偉大な業績を賞賛する過去の記事はこちら。
    こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか : セカイにはばたけ石原慎太郎

    東京電力という企業のあり方もまた、正しい悪の組織のあり方を踏襲しているんだろうか。最近の東電の行動のあれこれは、「原発が悪いんじゃないんです。みんな東電が悪いんです」というメッセージを必死に発信しようとしているようで、いやそこまで悪役にならんでもと多少気の毒なわけだが。そういえば、ショッカーを殲滅したゲルショッカーみたいに、組織本部へ乗り込んでいって大きな声で激励のメッセージを発せられた偉い人もあったな。

  • どうにも脇の甘いのは困ったものだが

    前原さんを辞職に追い込むことで、自民党他のみなさんは、ゴルゴを雇う費用の100分の1くらいの出費で本邦の外務大臣を罷免に追い込む方法を世界中に示しちまったわけだが。それって彼らが言うところの「国益」なのか? 今頃北京でもモスクワでも、畜生その手があったかと苦笑いしてるんじゃないかと思うが。

  • 入試のカンニング

    天下の京大がウェブよろず相談で回答を得られるような問題を出してるようじゃ、京大的には負けなんじゃないか?

  • 東大野球部って

    普通の少年が東京六大学野球に出たいと思ったら、東大に行くしかないのかな。野球したくて東大をめざすというのも「あり」なんだろうか。

  • ベトナム戦争はあまり自分に関係ない気がする

    ロング・グッドバイ」では自分より10歳程度年上の主人公が、自身に個人的に関わりのあることとして、ベトナム戦争を語っている。ベトナム戦争ってそんなに生々しいことだったか?と意外に思って、指折り勘定してみる。たしかに、ちょうど私が小学校に入るころあいに終わった戦争である。私より約10歳年長の二村なら、自分より多少年長のビリー・ルウあたりの世代が参戦していてもおかしくないわけだ。

    振り返れば私にはあんまりベトナム戦争って「我がこと」じゃないなあと思った。長崎近郊で生まれ育った私の歴史観って、直近の戦争は原爆で終わってるんだよな。おなじ県内でも佐世保で育ってれば違ったかもしれんが。たとえば村上龍みたいな。でも私の長崎県での生活圏は大村・諫早・長崎の三角形に収まってたしな。米兵なんて見たことない。おそらくは幸いなことなんだろう。

    太平洋戦争なら祖父が二人とも兵隊に行ってたんで、ベトナム戦争よりもよほど自分に近い感じがする。原爆とか、わりと実家に近いところに酸素魚雷の試験をしていた施設があったりとか、いろいろネタもあるしで、戦争にまつわる歴史にはセンシティブだと自負していたんだが、でも横須賀や佐世保には進駐軍とかベトナム戦争とかの記憶をより濃厚に残している人々がおられるんだろう。小泉純一郎氏のバックボーンは横須賀の米軍に対するルサンチマンだという内田樹先生のご高見にも、本書を読んで頷けるところがあった。

    さらに言えば、むろん当然のことに、沖縄の人たちのご苦労は現在もなお進行中である。

  • カンフル剤って何ですか?と現役医師が尋ねてみる

    医者になって15年以上たつわけだが、カンフル剤なんて見たこともない。小児科だからとは限らない。初期研修で救急病棟をまわっていたときにも、「こういう状況ではカンフル剤を打つんだ」なんて指導をうけた記憶はないし、後期研修で全科当直をしていたときにも、内科の先生から「こうなったらカンフルで云々」と申し送られた記憶はない。

    つまるところ「カンフル剤」なんていう語はテレビや新聞でしか聞いたことがない。それも医学記事ではなく、経済記事や政治記事で、駄目になりかけた状況を救おうと意図した一発逆転の方策をたとえてである。それとてたいていはその場しのぎに過ぎないのだが。医学関係においては、医療崩壊をあおる半端記事にすらカンフル剤への言及はみたことがない。

    邦文の医学雑誌をほぼ網羅した検索サイトである「医中誌Web」で「カンフル」を検索してみると、2000年からの文献でヒットしたのはたった29件である。蘇生剤としてのカンフルについて言及した文献は皆無である。何の目的でか軟膏として使うことはあるらしいが、およそ軟膏を塗って生き返るってことはないだろう。歯科で使うこともあるらしい。全身作用としては、防虫剤として用いるカンフルを小児や認知症の老人が誤飲して中毒云々の記事ばかりである。

    したがってニュースなんかで「専門家」がコメントするときに「カンフル剤」云々と言った場合、なるほどこの「専門家」はちゃんと下調べをしない人なんだなと思うことにしている。むろん、そのご高見はそれなりに割り引いて聞く。

    落ち目の政治家が自分の名前とひっかけてブログのタイトルに使っておられるとのこと。自分は時代遅れで役に立たず見捨てられましたと知らず知らずに公言なさっておられるようで気の毒である。あんまり官僚をいじめたから厚生労働省の人もなにも言ってくれなかったんだろう。友達にまともな医師はいなかったのかな。