大事なのは病院の数じゃない

小児科のある病院、ピーク時の1990年から22%減 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
敢えて言う。
大事なのは病院の数じゃない。稼働している小児科医の数だ。
小児科のある病院が22%減るくらいじゃまだ生ぬるい。
都市部の小児科は66%でも減ってよい。
そのかわり1施設あたりの小児科医数を3倍にするんだ。
3人の小児科が3カ所あるより9人の小児科1カ所。

12月22日 大雪

2005年12月23日 午前0時56分
全国的に大雪らしい。昨夜に積もった雪が日中も融けず今夜まで持ち越してしまった。当地ではこれは珍しいことだ。大原や岩倉あたりならまだしも。降雪量は夜に入ってすこし衰えてはきたようだが、踏み固められた雪がこの夜に再度凍り直すはずだから、明日の朝は路面が大変なことになっているだろう。当直明けに帰るのが億劫ではある。しかし病院に居続けても、居ると言うだけで仕事が雪だるま式に増えるものだから、何とか帰るつもりではある。
ベランダににゃん黒が出てみて、薄く積もった雪に梅の花をつけていた。彼は猫にしては奇妙なほどに好奇心が旺盛で、物珍しいことがあると必ず見に来る。しかし彼は猫の標準に比べてもずいぶん寒がりでもあり、早々に室内に引き揚げてきた。黒い背中に点々と雪をのせて、床暖房のある1階へ直行していった。
私もまた南国の生まれ育ちであるから雪は積もっただけで狼狽えてしまう。感覚的には、自然界に水が固体で存在するのは異常事態だ。積雪なんてドライアイス並みに不自然だと思う。ただその南国の長崎も今日は大雪だったようで、まあ彼の地では積もれば即ち大雪なのだが、昼のニュースにちらっと画像が出た。慢性的にホームシック気味で過ごしているので、そういう見慣れぬ風景でも故郷の風景には心が動く。時期もまた年末である。年始には高校の同窓会もたぶんやるはずなのだが、小児科の勤務医が同窓会など出てられる季節ではない。
悪天候の常で外来が閑散としている。こんな日にシナジスの筋注なんか予約が入っていた子は悪路が気の毒だった。しかし何とか病院まで辿り着いて頂けたら、待ち時間は短くて済む。再診受付が済み待ち患者登録リストに上がった時点で、薬局からシナジスを取り寄せる。それを溶解してから診察室にお呼びして、シナジスを静置する20分をあれこれご両親と語って費やして(それはもう超未熟児なのだから語るべきことは幾らでもある)、最後に筋注する。たぶん米国の小児科一般外来ではこういうペースで診療してるんだろうなと思う。3分診療ではなく。