連夜

サイクリングニュース : CYCLINGTIME.com

二晩つづけて、私は自院のNICUで過ごし、カヴェンディッシュ君はツール・ド・フランスでステージ優勝した。

私はカヴェンディッシュ君が好きだ。いかにもマン島の田舎者然とした風貌が好きだ。勝負に貪欲に拘るかと思えば、顔を上気させてランス・アームストロングと夢中になってしゃべっている純朴さも好きだ。サイクルロードレースの中継でもなければ、「世界の車窓から」みたいな鉄道番組で英国の田舎のパブでビールでも飲んでいるのがお似合いな風貌。

何より好きなのは、彼がステージの最後に爆発的なスプリントで勝利を得たあと、続けて入ってくるアシストたちを待って一人一人抱きしめて感謝する後ろ姿だ。

彼はアシストにすら勝利を譲らない。昨年のツールで彼は6勝した。21ステージのうち6ステージで優勝してるんだから、そんなに欲張らなくてもいいだろうとさえ私は思う。とくに最終ステージ、シャンゼリゼでのスプリントは圧勝だった。最後のアシスト、レンショーさんだったかヒンカピーさんだったか、どちらかがそのまま走り抜いても、チームコロンビアハイロードは勝利を得ていたはずだった。しかしカヴェンディッシュ君はそれでも最後にスプリントした。そして自分で勝った。

貪欲に勝利にこだわり、一見冷酷にアシストに自己犠牲を求めて勝利を手中にする、しかしその犠牲に対する感謝は忘れない。いい奴じゃないかと思う。

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